オリビエートの坂の上

観劇のメモを投げ込む予定です

真剣乱舞祭2018 らぶフェス 12/12(水)夜 感想メモ

 

12/12(水)夜 ミュージカル刀剣乱舞 真剣乱舞祭2018

@大阪城ホール

 

命がぎらぎらと燃えているのを目の当たりにするのはなんでこんなに幸せなんだろう………

 

感想を一言で言うとそれになるんですけど、とにかく三日月のサイドに源氏兄弟をつける構図のパワフルさに大興奮してしまった。ので、その三人の話をします。

 

まりおさんは去年も美しかったけど、また段違いに美しくつややかになって、なによりものすごく自負の見えるお顔になられたなぁと思う。自分が背負って立っていく、という覚悟と自信と誇りと、それらから来る凄みのある美しさだった。

こないだ阿津賀志初演の映像見てたので(とにかくやるしかない、みたいな必死のピリピリ感が好き)よけいにかもしれないけど、ひとって数年でこんなに美しくなるんだなという衝撃と恐ろしさで途中ちょっと泣いてしまった。素人目にも所作も佇まいも変わって、そこに注がれた心血を思うとなんて贅沢なものを見せてもらってるのだろうと思う。

私の中のまりおさんは今夏のぼく明日の時に受けた印象が大半なんですけど、優しくて穏やかでかわいい普通のひと、という感じ。それでこの三日月だもんなあ…まさに心血だ。美しかった。最近よく映像のお仕事されてるのは存じ上げてて、あと来年はロミジュリもあってまさに駆け上がっているところなのかなと思うんですけど、これからも良い仕事と人との縁に恵まれるよう、初詣でお祈りします。まりおさんがビッグになった世界が見たい。

 

高野さん、硬い蕾が綻び始めるときのあの瞬間を見た感がすごい。花の開花の微速度撮影映像(タイムラプス)で、蕾が開く時に花びらがすこし震えて見えたりするじゃないですか。あれです。あの震えみたいな色気。どこか艶めかしくてでも完全に清廉な、開きかけの花みたいだった。この瞬間を見れるのは今だけなのではすぎて、値千金というかそういう尺度に換えられるものではないというか、ありがとうございます…。

人が勝手に狂って飛び込んでいくような美しさの華になるんじゃないかなと思ったりして、そういうどんな花が咲くのかなという気持ちにさせてくれる人を見られるのは幸せなことだと思います。

 

三浦さんは歌声の出し方変わったね…!?(レミゼ頑張って!!!!!応援してます!!!!!)やっぱり野蛮な妖精だし、抗いがたい強烈な魅力があった。あの眼前のもの全部をかき喰らうような目が好きなんだよなあ。

可愛らしいお顔してらっしゃるし、芯から品がいい方だなと思うんですけど、表現はものすごくダイレクトで暴力的ですらある、と思う。馴染みがなさすぎる感覚で、うまく自分の中で消化できないのでただひたすら殴られてるんですが。

動きのスタートを0時として終わりを12時とすると、8時とか10時くらいのフェーズが好きだ。あと、たぶん止めの位置がかなり正確。こなれてるというか全フェーズに力を入れてる訳ではなく、通るべき点を正確に通ってこれ以上ない正しい位置と形で止めていて、それがすごく綺麗で。終着点ありきの動き、とも言えるかもしれない。何かしらの型に近いんだろうけどか何かは分からず、でも実際見てしまうとやっぱりものすごく引き込まれる。惹かれるのは動きだけではなくて、何に惹かれるんだろうな、胆の据わったところか、表現への意識が強固なとこか。ノスワンみたときに、この人はきっと身体の動きひとつで景色も色も匂いも空気も温度も描けるような人になる、と思ったんですけど、もっとなにかあるような気もする。いつかこの人の表現に喉笛噛み切られる日が来そうだと思って、少しの緊張感とともに楽しみにしています。

 

なにせ三者三様の華があり途上の美しさがありビリビリくる気迫があり懸命さがあり、命が燃えている…感に当てられて帰ってきました。これが観たくてこの界隈にいるんだよなあ…。ひとの命が燃え魂がきらきら飛び散っているのを観られるのは至上の幸せ。

 

という話はそのへんにしておいて、構成とかその他のこと。

全体の構成としてはだいぶ歌に振ったんだなという感じですね。巴ちゃんメインの一連の流れはストーリーというよりはコンセプトに近い。それにしても、らぶフェスは毎度あちらとこちら(彼岸と此岸)概念でできてるんだな。

そしてそれよりも(メタい話過ぎてアレなんですけど)、冒頭で触れた通り刀ミュのキャスト使いの強かさに改めて大興奮してしまいましたね。2.5のどのキャラもちゃんと出す的な文脈を守りつつ、掴まなければならないところで掴める人間をあてて掴ませるというシビアさにテンションが爆上がりしました。初っ端が巴ちゃんひとりで数分というのもそのひとつだと思うけど、この方はどこから引っ張ってきた方なんだ…。むすはじ見てないので初見だったんですけど、動きが生粋のパフォーマーって感じで、.5界隈の気配ではない気がした。とても目に気持ちのいい動きをされる方だなと思いました。

とか書いていると、去年感想書いてた時と考えることが全然違うのにはっとしたりして、視点とはこんなにも易々と変わっていくものなんだなと実感しています。今年一年、平均週イチのペースで劇場に通って色んなものを見た結果、板の上の人間をキャラクターそのものとして見るという視点をかなり失ってしまった気がする。2.5の醍醐味ともいえる楽しみ方だと思うので、それから遠ざかったのは寂しいなあという気持ちがあるんですが、今回もっくんさんの村正にその楽しみ方を思い出させてもらったなと。村正、ほんとうに魅力と愛嬌の塊。演じるのにかなり難しいキャラクターだと思うんですが、頭がなんの疑問も持たず村正!って認識するんですよね。誰よりもキャラクターらしく、かつ絶対にやりすぎない。丸ごと村正で大好きです。あと衣装の裏地?中身がピンクなの最高にキュートですよね!源氏兄弟の衣装の腰のとこがすこし空いてるのといい、衣装デザインの方にお歳暮を贈りたい。

余談が入りましたが、今年もらぶフェス楽しかったなー!ステージから受けたエネルギーが終わったあとでも身体の中にあるような気がして、素敵なコンテンツだなと思います。

去年の円盤ももいっかい見よ!