オリビエートの坂の上

観劇のメモを投げ込む予定です

2019.3観劇分 感想メモまとめ

 

 

3/2(土)ほか 舞台どろろ

 

こちらからどうぞ。

tamaenotamako.hatenablog.com

 

 

 

 

3/16(土)夜 偽義経冥界歌

フェスティバルホール

 

 

天 才 の 所 業 ……
新感線、脚本家と演出家が強すぎる。あと金がある。

脚本はサビのメロディラインが相も変わらず固定でしかし唸ってしまう楽しさ。名前とロールの業、それに絡めて偽物と本物と空っぽ、宗教民族生と死…みたいな、(新感線の上澄みを撫でただけの私の感覚で)全部詰め!!という豪華さ、でもすっきりして見やすい。いままでの作品が割とごちゃごちゃぐちゃぐちゃの感情ブアー!だったのが今回はちゃんと収束している感があったせいか、すっきりした後味でした。あんだけ各人物濃くてもさっぱり。
細部まで辻褄あってるのかと言われるとそんなことないだろうなって感じなんですけど、楽しいのでそんなことはどうでもいいし、こまけぇことはいーんだよ!って言わせる作品が私は好きです。
主役の名前がいくつも出てくるのとか、義経と偽義経が本物偽物逆転して同じ髪型で対決するのとかアツすぎてひっくり返りそうだった。最高のザ・活劇!!感。

演出はまさかの完全ステアラ仕様で、楽しすぎて笑うしかなかった。劇場が回らなくても舞台は回せるということが証明されてしまいましたね。回転劇場ならではと思われていたシームレス場転を、薄幕(呼称がわからんのですけど、舞台手前に降りる映像映せる透けるやつ)と手前の通路爆走(通路ではない)で再現していて、あっ回ってる…!ってなりました。カテコになってようやくアッそういやここ回らないんだ…?と思ったレベル。
これが至高とかいうつもりは毛頭ないんですけど、世の中の舞台演出家と演出が気になる観劇マンは好みに関係なく一回見とくといいのではないかと思う。面白いので。
全体通して印象的だったのは鏡の演出だけど、やっぱそこに限らず全体的に演出めっちゃいいな。すごい。

新感線、基本的に脚本演出音楽照明衣装総合してひたすら質が高いので(という言い方もどうかと思うけど)好みとかどうとかを置いといてすげーー!!最高!!!ってなってしまうんですよね。エンタメとはこうでなくちゃな。私は結局こういう派手ででかいものが楽しい人間なのだ…

 

公式の作品紹介に「新感線ならではの笑いたっぷり、殺陣、アクション満載の王道エンターテインメント作品」とありますが、まんまその通りの作品でしたね。さすが39公演。劇団ファンの人はすごく嬉しいのではないかな。
内容としては、全編通して生田ッ………斗真ァァァ…………!!!!!(敬称略)って感じでした。生田さんすごいね?なにあれ?なんか出会ったことのない光の人種で終始ファッ…となっていた。当て書きだからそりゃそうといえばそうなんだけど、あのカッコよくて抜けてて明るくて単純で気持ちのいい人物ができるのすごい。
生田さんのファンの方チケットいっぱい握りしめてる??大丈夫?後悔しない枚数ちゃんとある???貴方の推しにハッピーニューイヤーメリークリスマス。
冥界白衣装のお姿、ビジュアルが強すぎてこっちの魂が冥界に飛びそうになった。あの白の姿に白いライトがバシッとあたるあの瞬間、最高としかいいようがない。
ラストシーンもめっちゃよかった…めちゃくちゃに映えていた。これが生田斗真……
そして「これが生田斗真」って言わせるのがさすがの脚本演出なんだよなあ。

 

そう、ビジュアル…衣装めっちゃよかったですよね…。
いつもながら豪華だし、源氏側の黄色の衣装で裏地が奥華の紫とかさ…。
何より冥界側の白い衣装ほんと最高すぎて。双眼鏡はもっぱら衣装ガン見するのと生田さんのあまりにもいい顔を見るのに使っていた。

 


全然関係ない話なんですけど、終盤でメインどころふたりが対決するのってほんとにお決まりなんですね。
ほぼ構図も、なんなら立ち位置まで同じなので一瞬捨天対決の幻が見えてしまった…
これ新作で対決シーン出てくるたびに永遠に見える幻なんだろうな。きっといつまでも月の亡霊です。

 

 

 

3/31(日) SPECTER

 

@森ノ宮ピロティホール

 

 

イェーイ再演!!生で見られる幸せ!!ローザ!!!俺だぁぁぁ!!!!(うちわ激振り)(ペンラ複数持ち)

 

生で見ると、マジでやっちまいやがった…感があって超テンション上がりますね。シャドの皆殺しからのくだりです。あのシーン大好きなんですよ…。お前でいいやって何…?どうやったらあんなセリフ思いつくんだ。

 

冒頭の葬列、めちゃくちゃいい追加シーンでしたね。既に最高。そしてキャスパレ、2分で分かるSPECTER。もうこの時点で、明らかに今までより演出がいい…!?どうしたの!?都会に行った娘さんがきれいになって帰ってきたみたい!とかわけのわからんこと思ってました。特に照明、今までにもまして綺麗では?

 

再演は初演より洗練されてわかりやすくなってたのと、各キャラクターの人物造形もストーリーに沿ったものになってるというか、すんなり理解できる感じだったと思います。

再演ローザは女性らしさと弱さが前に出てて、あの結末の暴力性が軽減されてた気がする。でも私はよしあしとは別に初演ローザ担なんですよね…。あの訳の分からなさ、こいつ何やってんだ!?みたいな感じが好きで。初演ローザめっちゃ強いですからね。同じ行動してても、弱さからそうなったのが再演、パワーと傲慢でそうなったのが初演、みたいな感じする。ローザに限らず初演の、みんな何もわからずぐちゃぐちゃにこんがらがったまま死んでいく、みたいなのが結構好きです。

 

再演、衝撃だったのはローザ抱えたシャドが恐らく生きてることですよ。ほんとに…?あんだけのことしといて本当に償うつもりなのか…。茨の地獄じゃないですかシャド…。

 

あと初演と違うのは、上手下手が逆転してたのとか(繭期の追いかけっこまで逆回りでかわいい)、バンリのセリフとかですかね。バンリのセリフどっちも好き。

 

なんせ演出が洗練された!!っていうのが一番印象強かったので、COCOONへの期待が高まる公演でした。

 

 

 

 

 

 

舞台どろろ 感想 やむなく生まれたひとの先

3/2(土) ソワレほか 舞台どろろ

とりあえず大阪公演分。ネタバレ含みますので注意!

 

 

「母なるもの」「父なるもの」の話であり、それらふたつからやむなく生まれるひとがどう生きるかの話だった。やむなく、というのは自分で選べない、という意味で。生まれるかどうかを、あるいはどう生まれるかを、ひとは選択できないんですよね 。自分の意思とは関係なく生まれて、自分の意思で選択して生きなければならない。ならばどうする?という話。そして最後に、この作品としてのアンサーが示される。

私は「いい作品」かどうかを、テーマ(軸)があるかというほぼそれ一点で判断してしまうんですが、良い作品でした。たしかにこれは良い作品だ。

そしてそれが伝わってくるのは役者陣がテーマとそれに対する西田さんの思いを丁寧に真摯に体現しているからというのが大きくて、役者さん皆さんほんとに素晴らしかったです。みんなで同じ方を向いて作っている作品なんだなと感じました。

 

公式的には親子の話とのことですが、「親」と「子」の話、といったほうが個人的にはしっくりくるかもしれない(「親子」は「親」と「子」でしかありえないと私が思っているせいか)。

母なるもの父なるものっていうのは家父長制みたいな役割イメージで漠然と言ってるんですが、前者がミクロ的に子を愛し育て慈しむもの、後者は子以上に「家(国)」を守る責任を負うもの、というくらいで捉えていただければ。
母なるものとしてはやはり縫いの方がメインですが、どろろの母、三郎太の母、助六の母と、かなり「母」が重点的に描かれてました。

面白いのが、寿海が男性ながら明確に「母なるもの」として示されていること。この作品、百鬼丸が寿海のもとに「生まれなおした」という捉え方をしているんですよね。
寿ぐような笑顔の女性ダンサーが川を表現して生後間もない百鬼丸を運び、寿海のところに流れ着くというのはそういう意味なんだろうなと。寿海から百鬼丸への行動や発言は属性・役割として「母」であり、百鬼丸が寿海を「ははうえ」と呼んだのは、それをそのまま言った、ということなんだろうと思います(流れ上は言葉知らずだからですが)。また、生まれ直したあとに出会った人間も自らがそう呼べば母になり得るのだ、生まれでなにもかも決まるわけではない、という主題に沿ったメッセージのひとつでもある。 

そして、父なるものは醍醐景光であり、多宝丸です。多宝丸が自分で悩んで自分で決めて子から父なるものに変わっていくのは見どころのひとつ。こういうのやると子が濁って父になるみたいな感じに見えそうなものですが、有澤さんは全然濁らせなかったな。父なるものであることを決めても、子であるがゆえの真っ直ぐさを失くさないところがとてもよかった。この作品が重くともいやな後味を残さないのは、有澤多宝丸の色も大きいのかなと思いました。

ちなみにこの文脈でいくと、琵琶丸がほぼ唯一、母でも父でも子でもない属性になってるのも面白いです。だからこその語り部

 

と、初見ではそういう大枠の概念っぽいことに目がいったのですが、もっと構えずに捉えると家族の話なんだろうな。そういうタイプの作品ではないだろという先入観があったので横に置いておいたのですが、OPで景光と縫いの方が寿海に向かって百鬼丸の背中を押す描写が入っているあたり、単に父と母と子というわけではなくて、あー家族なんだなーと。父母が自分たちができないことを寿海(光のある方向)に託すような表現になっていて、普遍的な父母じゃん…と思いました。多宝丸との関係性とかあり方も、状況がこんなに特殊でなければ普通のいい家族だったんだろうなと思わされるのが切ない。

またそれが生来の家族として描かれた上で、百鬼丸が自分でつくるかもしれないこれからの家族のことも暗示されてるんですよね。琵琶丸のセリフでご丁寧に示唆されている通り。百鬼丸からどろろへの「きれいだ」という一言、すごかったな…。あれを聞いた時、理屈抜きで「光だ」と思った。眩しくて目を細めてしまいそうで、でも見ていたくて、触れようとすると熱いのではと思って、でもそろそろ手を近づけてしまうような光。やむなく生まれる人が、ぐちゃぐちゃの闇の中でそれでも生きようとする先に何があるのか。この作品の答えは「光」であり、「家族」もそのひとつなんだろうと思います。

その前フリでもある、どろろが季節って綺麗だよって話をしてるくだりもよかったなあ。百鬼丸が少しの間目を覚まして、恐らく夢現でそれを聞いてまたまどろむところ。いとしくてせつない。

 

 

そしてなんといってもこの舞台、役者さんがめちゃくちゃいいんですよね!!上手い下手ではなくて、感情の乗り方がしっくり来るというか、役が染み入った芝居というか、心底の真摯さというか。穏やかで真面目で真剣で熱くて、緩やかにひとつにまとまってる座組だなという印象。

どうしてもこれを一番に言いたいんですが、唐橋さんめっっっっちゃかっこいいですね!!!!!!後半の殺陣のシーンで完全に好きになってしまった…。殺陣、ダイナミックで超かっこよくて見蕩れて釘付けになるんですけど、なによりその後正面向いて静止したときの姿で醍醐景光の若い頃とかどんな風にこの地位まで来たのかとかそういう人物像がブワーーーっと見えてしまってアッ最高…あまりにも最高…ありがとう世界…ってなりました。動きだけを言えば立ってるだけだよ…?語らずに描ける人が好きすぎて宇宙に祈りを捧げてしまう。そして最後の百鬼丸とのシーンな…絶対に「父なるもの」からブレないのに、確実に子への思いがあると思わせるあのお芝居最高です。めちゃくちゃ見応えある。前にチラ見した別作品のゲネ映像でいいなと思って拝見するの楽しみにしてた役者さんだったんですけど、素晴らしかったです。好きな役者がまた増えてしまった。

あと琵琶丸の赤塚さん、殺陣かっこよすぎて手練れすぎて大興奮した。後半でここぞってときに殺陣入ってウワ~~最高!!と思いました。

せしるさんは良い声で感動しました。すごく通るし綺麗だし、この役にぴったりで素敵だった。きれいなお芝居される方ですよね。ご尊顔あまりに美しいし、一幕終わりからの儀式衣装は特にすばらしすぎて必見です。その衣装で踊らせた演出ありがとう!!

健人さんはこういう役似合うねー!そして悲伝でもびっくりしたけど、虚伝のときとほんと全然違う…。殺陣もまた一段と迫力が出てきれいで、槍殺陣も初めてには見えないスムーズさ。声がいいのもあるけど、一言言ったり舞台に出てくるだけで注意をひかれるというか、どんどん存在感がでてくる方だなと思いました。今後も注目の役者さんだ。

有澤さんはアフト聞いた感じではそのまんまで多宝丸になってるんだなという感じで、これがまたよい多宝丸でした。上でも触れましたが、陰っても濁らない素直なところが好き。鈴木さんとの立ち回りも迫力満点で、背が高くて見栄えがするしきっと華やかな役者になられるんだろうなと思わせられる方だった。

 

そして鈴木さん。百鬼丸、一幕ほぼ(一切?)セリフは話さないんですよ、声まだ取り返してないから。でも喋ってないのに、喋ってないことに気づかなかったんですよね!(?)  一幕終わって、あれっ喋ってないね?!でもまるで喋ってたかのような情報量!なにも薄くない!十分以上の存在感!オーラ!重み!みたいな衝撃でズガーンとなって休憩で立つの出遅れた。
そして目が戻ってないから瞬きしたらおかしいっちゃおかしいよな…と思ってたら目が戻るまで本気で瞬きしてなくてビビりました。いやどこかではしてるんでしょうけど、してないように見せるのが趣旨なので、あれは「してない」で正しい。 (追記:大阪楽で一度まばたき見たんですけど、アニメの顔の皮が戻った時のあの動きだったのでヒェッてなりました)
そして目が戻るまで、常に必ず視点が合ってない。だって見えてないから。ということに目が戻って視線が動くようになってから気づいた。「見えてない」や「聞こえてない」の表現を当たり前に提示して、状態に疑義を生じさせないのすごいな…(見えなくも聞こえなくもなったことのないわたしの感覚でです)。
あと言及なかったけど、ずっと痛覚ない…よね?斬られたときの反応が、物理的に衝撃を受けた、とか物理的に体が動きにくくなった、とかでうわわ…となりました。痛いと感じたらあの動きはしない…よね…(ただアニメで痛覚戻ってからも脚食われるまで似たような動きしてる気はしたので、痛覚の意味が分からない、という状態かもしれない)。
本当に「ない」ことも情報だよな…とつくづく思わされる演技でした。観る側が何もしなくても当たり前に分からせられる、これ!これだよ…!楽しい!!!思わず鈴木さん引っ張ってこれた企画陣大勝利じゃん…と思いました。客(依頼者)にガッツポーズさせるのは優れた職業人だというわたしの哲学が踊り出してしまう。

殺陣は腕自体に武器という状態なので、間合いも動作も武器を「持っている」時とは全然違って。あれ体ごと戦っているようなものですよね。そして殺陣の間も人形めいた動きや見えていない表現(後半だと獣のような荒々しさ)は一切崩れず。すごいのほかに何も言えない。終盤の対多宝丸は刀持って本領発揮ということもあって特に圧巻の迫力。見せ場として作られた場面が抜群に見せ場だった。えっまた(昨夏比)目に見えて凄くなった!?そんなことある??って横面バチーンされたような衝撃でした。

どんな殺陣かって演じる人物によって違ってくるけど、今回どんなんだったかと言われると、ぱっと思いついたのは『白』でしたね。百鬼丸は体も家族も持っている上に奪う側を選んだ多宝丸を憎んだり恨んだりしたのかなとも思ったけど、私の目には、百鬼丸はそういう概念とは無縁に自分の体を取り戻したがっているだけのように見えた。執心を感じさせる語気にも関わらず、「返せ」という言葉が単純に澄んで聞こえたので。自分の体を取り戻したいと思うことは、お腹がすいたら何か食べたくなるのと同じように自然なことなんですよね。

寿海が「体を取り戻す道行には人々の死体が転がることになる、それは本当に人に近づくことなのか、体が人間になっても化け物になりはしないか」と問うけど、本当にそうなのか?取り戻して人間になることと、国やほかの人が苦しむことはたまたま表裏一体になっているけど本来は因果関係のない別の事柄だし、さらに言えば、結果として人をたくさん殺めることと、化け物になることは本当にイコールなのか。ならば本当に人を鬼にするのは何だ?人とは何だ?そんなことが頭に浮かぶような、あらゆる既成概念から離れたところにある『白』だった。

そして最後の醍醐景光とのシーン、 なぜ殺さないと問われて「生きろ」ですよ… 。私はこの作品の主題は「ひとは生まれるかどうか、どう生まれるかを選べず、しかしどう生きるかは自分で選ばなければならない。さあどうする」だと思ってるんですけど、それに対する完全なアンサーなんですよ、「生きろ」は。 
言葉上は景光にかけた言葉でも、あれは「自分は自分の意志で生きる」っていう結論、決意表明だ。やむなく生まれて、自らの意志で生きる。鬼になろうが人になろうが、そういうこととは別枠の、ただ一つ確かなこと。百鬼丸のそのあり方がめちゃくちゃ刺さった…。 あまりにも真っすぐに肋骨と肋骨の間、肺と肺の間に深々刺さって自分でも戸惑うくらいぶわっときてしまった。鈴木さんのお芝居観てるとこういうことがあるからやめられない。

ちなみに、たぶん「どう生きるかを選べなかった」のが三郎太なんですよね。あの死は生き方として選んだ死ではなく、選べなかった結果としての死だ。怯えて迷って恨んで悔いて、どうすべきかどうしたいのかも分からなくなって死んでいく。セリフでも百鬼丸に、なんでお前は逃げないんだ、って言っていたけど、あれはつまりなんでお前は選べるんだ、生きられるんだ、という意味だったんだろうと思います。

そういうことをつらつら考えてしまうほど、セリフの文字列ではないところで人形から人間に近づいていく推移や取り戻すことの意味、鬼とは人とは、といったテーマ要素を当たり前のように表されていたのでやっぱり舌を巻きました。

そしてやっぱり鈴木さんはこの役でもきれいだったな…。あの独特のオーラを表すのにきれいという言葉で適切か自信がないけど。鈴木さん、ひとつの「あり方」を示すだけで答えらしいものを出さないんですよね。普通、なにかテーマがあったら自分はこう思う!こうなんだ!っていうのが(どれだけフラットに他の可能性を認めていても)どうしても出るじゃないですか。その気配が根源からなくて、あらゆる面で中庸で、(相対と逆の概念として)絶対的。これが「きれいさ」の正体の一部のような気もする。

 

 

 

あと演出で印象に残ったとこをちょろっと。時間経過表現で音楽だけで進むとこ、アンサンブルさんがモミジとかを握った手からぱっと散らすの、あれよかったなぁ。きれいだった。鬼神との戦闘シーンも最初ちょっと分かりづらいかなとも思ったけど、鮮やかで良かったです。殺陣だけの表現より華やかで見飽きないし、躍動感があって。

しかし三郎太が鬼神に自分を喰わせるくだりでの赤いリボン状の布の演出、首絶対締まらないようになってる?大丈夫??大丈夫な仕組みならいいけど気が気ではなかった。綺麗で好きな演出なんだけど、気になって集中できなかったのでもっとだいじょうぶに見えるようにして…というのは余計な心配なんだろうか。

あと話逸れるけど例の移動式セット、何回も固定ちゃんとできてなくてぐらついてたのでもっと頑張って!!と思いましたね。何より危ないし、没入感が途切れるのは致命的。そして音響さんは一体どうしたんだ、音楽のボリュームおかしいわタイミング外すわ間違えるわだったので、巻きで頑張って欲しい。

とりあえずこのくらいかな。またCS放送&三重公演見たらなにか追記するかもしれないです。

 

 

 

 

 

以下は趣味が合わねぇ〜!という超私的なボヤキなので適宜スルーしてください。脚本演出のファンの方はスルー推奨かもしれない…。

 

 

 

 

 

 

一言でいうと、西田さんとは好みが合わない!!以下あくまで私の趣味嗜好の話で、良い悪いの話ではまったくないんですが。

(私の好みより)詰め込むし詰め込むし変えても良さそうなとこそのままやってハァ?ってなるしワンカットが短すぎるし場転過多だし場面の連続性ないし(映像作品じゃないんだからさ…)、なにより音楽の使い方の趣味が極めつけに合わない 。
ここでこれかけるんかい!とかまたこの曲!?とか、こここんな曲かけるシーンか?とかだいぶ思ったもんな。音響さんがいまいちなのもあるけど、それをでかい音で流されるので基本うるせぇ!!ってなる。あと日本語歌詞入りの歌流すとかリスキーなことするならちゃんと効果的に使って。そして1万歩譲ってそれらぜんぶ置いといたとしても、とりあえず大音量のままぶつ切りで次の曲に直に繋げるのはやめような!!!これはやめよう!!!(1箇所とかなら効果的な場合もあるけど基本ぶつ切りだったので)

さらに欲を言えば、殺陣を減らすとなお良いと思いますね…。不要なシーンで殺陣入れてるわけではないけど、3分の2くらいで十分。いや殺陣めっちゃかっこいいし飽きるほどではないから尺とってもいいんだけど(長けりゃいいってもんでもないが)、優先順位的にそこじゃなくストーリーとか描写に使って…という感じ(これは特に好みの話かも)。

まあ見方の問題もあるんだろうな…はい次!はい次!はい!はい!幕!みたいな感じなので、これがこうなってこうだからこうだよ!って舞台を見るつもりで行っちゃダメなんだろうなと。見方が分かればたぶんここまで気にならんのだろなとは思いました。音楽は意識の外に押しやっておけばOK。

 

と散々いいつつ、上に書いた通り言いたいことや思いは伝わってきたし、ここいい!とか、おお!とか好きなとこがあって、つまらん脚本演出だとは全然思えなかったんですけどね。よかった?って誰かにきかれたら良かった!!って言うだろうな…。百鬼丸が寿海に「ははうえ」って言った瞬間、もうなんでもいい!最高!となってしまったし(舞台オリジナルなのか、アニメの現時点未放送のシーンにあるのかはわからんけど)。

なんというか本当に単に趣味が合わないということはあるんだな…という気付きを得ました。まだ脚本家や演出家でこの人のファン!この人の脚本演出なら誰が出ようがなんの話であろうが行く!っていうのがないので、いつかそういう人に巡り会えたらいいなあ。

 

 

 

↓↓↓千穐楽を観たので追記しました。


今更案件なんだけど、最後の百鬼丸の「生きろ」は寿海の「生きろ」の流れを汲んでるんですね。 つまり後天的な親(から得たもの)で生来の父を乗り越えるという構図なわけで、どう生まれるかではなくどう生きるかだ、という作品としての結論かつ強烈なメッセージに繋がってるんだなあ。
(精神的な)親殺し、自我の確立というのはよいテーマだ。ひとはそれを経て一つの個としての人間になるわけなので。

ラストの兄弟対決すごくよかったです。多宝丸は百鬼丸を憎もうとしてた(もしくは憎んでいると信じていた)のかもな、と思うし、百鬼丸には憎まれてると思ってたよね。 だから最後に彼に残ったのは、憎しみでも怒りでもなくて寂しさだった。
舞台どろろは寂しさの話でもあるのかなと思いました。みんな一人ひとり、それぞれにものすごく孤独。それだからこそ、これからどろろと百鬼丸が寄り添って生きるのは、すごくあたたかくて救いのあることなんだな。

寂しさ関係の話をすると、ほんと健人さんの三郎太の身を裂くような孤独が好きで好きで…こないだのCS放送にも映ってたんで録画した方はまた見てほしいんですけど、手負いの獣みたいな眼光をしてるんですよ。そんで笑ってるの。可哀想に最後まで壊れることもできなかったのよ…すごく人なんですよ…。
百鬼丸になんでお前は逃げないんだ、って問いかけるところが本当に好きで。
なんか悪いやつみたいにみえるけど、あの子のなにがいけないっていうんですか!!!とすごく思っていつも心臓がつらかった。 化け物から逃げちゃダメなのか?そしてそのことで自分を呪った挙句に人を喰わせるようになったことを、責めてもいい人なんかいるんだろうかと思ってしまって。だってだれでも三郎太と同じでしょう、あれも「人」でしょう ってずっと思っていた。そりゃ人を喰わせるのはよくないです、絶対によくないんですけども。生きられる人はそりゃ偉いし強いし尊いけれど、でも生きられなかったことを責めることはしたくないなあ、と思ったりしていました。

健人さん華があるなーって思うし、なんかその華の色とかが好きだな。影のあるつやっぽさというか。いつか出世作みたいなものを掴んでほしい…私がみたいので。

 

 

何はともあれ、ほんとに「大きな」怪我なく千穐楽終わってよかった…と心底安堵しています。お疲れ様でした。

この舞台に限らないですけど、どんなに閉じた世界でも、芸術のレッテルがあっても、本人たちがやりたくても、安全管理は厳密にしてほしいと改めて思いました。
たいていの場合、演出家がやりたいと言ったら役者は応えたくなる(もしくは応えるしかない)わけなので、演出家かそれより上の立場の人の意識がしっかりしてないとどうしようもないわけで。失礼ながらコンプラ認識は世間一般より数十年遅れている業界だという印象を受けるので、そのへんのアップデートが早く進むといいんですが…。

 

 

 

 

WOWOWドラマ『虫籠の錠前』先行上映感想

 

WOWOWドラマ『虫籠の錠前』先行上映に行ってきたよ!!

(2.11 @109大阪エキスポ)

 

<以下ネタバレなし感想(のはず)>

トークのレポではないです(レポはツイッターハッシュタグ検索推奨)

 

 

 

 

最高でした !!!!!!

 

最高すぎて、上映会終了後には万能感すら湧いてきました。

これが3/22から毎週!!!!毎週なんと自宅のテレビで!!!見れるんですよ!!!!!えっ私の人生最高では????しかも録画できるからひたすらリピートできる?WOWOWオンデマでもみれるなら出先でもみれる…?あっ最高ですね…ありがとう……3月からの私の人生、勝ったな…(確信)(黙してガッツポーズ)

 

予告はサイコシリアス系(?)でしたが、1話2話は軽快でテンポのいいコメディって感じでした。ほんとに肩の力抜いて楽しめる。

コメディ系ってある意味いちばん難しいのでは、と個人的には思ってるんですが、この作品すごい。間がいい、セリフがいい、そしてキャラがいい。キャラ立つ、めっちゃ立ってる。みんな愛すべきチャーミングさがあって誰が映ってても楽しい。

とりあえずW主演ということで主役2人の話をすると、鈴木さん演じるカゴロクは、まっしろな子どもみたいに純真無垢でもの知らず、戦えば最強の出自不明不思議青年。対して清原さん演じるナナミは口八丁で裏社会を渡り歩いている、裏表ツーセットずつありそうなスレたあんちゃん。この対称的な2人の取り合わせがとてもいいんですよ。絶妙なラインでカゴロクを現出させる鈴木さんと、ナチュラルな清原さんのお芝居、という意味でみても楽しい。というか思い返すと、カゴロク筆頭に1話2話のキャラは手練のボケ担当が多かったですね…あまりにも笑った(会場爆笑の渦)。そもそもマフィアの人達とか出で立ちから楽しすぎて笑う。ナナミと喫茶店メンツはしっかりしてそうだったのでツッコミ側っぽいのかな(ボケとツッコミという言葉が適切かはわからないけど)。

アクションはカゴロクがメインな感じでしたが今後はナナミもやるんでしょうか。アクションかっこよかったのでそこも今後楽しみポイントです。

 

この作品はWOWOWさんの中でも2.5次元やアニメを担当している部署で制作しているとのことで、そのコンセプトもあって確かに楽しさの種類的に2次元味のある楽しさでした。人物というよりキャラ!って感じのするとことか。でも見事にちゃんとドラマ作品で、あれだけ2次元的な荒唐無稽さをサラッと自然に面白く見せるのすごい。

しかもこれ絶対、コメディ的に楽しいだけの作品ではないんですよ。下の方にネタバレありで少し書きますが、2話の終わり際とかすごいじんとしてしまって。ひとりとひとりが出会っていろんなものを見つけて共有して笑って泣いて成長していく話なんだな…と思わせられて、たぶん終盤はシリアス展開にもなるのかなと思うんですけど、本当に最終話まで楽しみです。

 

あと余談なんですけど、飯干プロデューサーが美人すぎて初見でキャストさんだと思いました。スーツ仕事バチバチにできて、かつカッパ着て作業もする感じめっちゃ憧れるし、今回の企画も推しTVもいつも本当にありがとうございます。上映会にプレボあったら何か差し入れたかった。もし今後応援上映あったら(?)飯干Pの名前入りうちわ作っていきますね!!これからも応援しています(ファンコール)

 

 

 

※ここからネタバレありで好きなシーンの話をします。

閲覧注意。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロッwwwカーwwwwwwwww

はぁーーーーい!!!!!!(全力)(通りのいい声)(マジ顔)

 

それまでのシーンも楽しかったけど、それに輪をかけてロッカー全般最高だったな…(たぶん二回目見てもめっちゃ笑う)

鈴木さんのコメディもの絶対楽しいという確信はあったんですけど、実際見せられると脱帽でした。間がいいんですよねたぶん。喋らない芝居の上手さというか。ほかのお芝居でも鈴木さんの間とか後ろ姿とか喋ってない時が大好きなんですけど、それにしても楽しかった。めっちゃ楽しい。

あと、一番ぐっときたシーンのことを。上映後のトークでも清原さんが少し触れておられましたが、ナナミの印象でいちばんサクッと心に刺さったの、「孤独」なんですよね。2話最後、カゴロクにスパゲティおいしい?もっと食べろよ、みたいなこと言うシーンあるじゃないですか。その時のナナミの楽しそうな声をきいて、あぁこのひとは孤独なんだなぁ、とじんときた。でも今、そのナナミの目の前には、スパゲティ頬張ってなんの裏表もなくニコニコ微笑んでいるカゴロクがいるんですよ。あーこれ救済じゃないか。今はまだそうは思っていなくても、ナナミはかけがえのない出会いをしたんだなぁ、と思って胸がいっぱいでちょっと泣きそうでした。そしてきっとカゴロクにとってのナナミもそうなんですよね…バディとは尊いものです…(鼻をすする)(ナポリタン食べよう)

 

 

 

ちょっと話逸れるんですが、さいきん鈴木さんの出る作品を追っかけてると楽しいもの最高なものばかり出てくるので、このひとについて行けば私のエンタメ人生超ハッピーなのでは…!?(!!)と思い始めました。

 

超私的な話ですが、ちょっと現状メンタルボコボコで、今日も序盤のカゴロクの「どんな仕事も上手くできなくて…」みたいなセリフが心臓にグサグサ刺さってたんですけど、上映終わる頃にはこんな楽しいものが見られるならもうちょい歯ぁ食いしばってやるか…というかむしろハッピーでは!?!?と思えたので、エンタメとは良いものだなぁとしみじみ思います。エンドレスリピートして気力回復したいので早く3/22にならないかな~!待てない!円盤も買うのでブルーレイ出してくださいね!!

2018年 観劇した作品リスト

だいたい観た順。

 

髑髏城の七人 season月 上弦の月

髑髏城の七人 season月 下弦の月

(↑2017年末から引き続き)

 

ミュージカル刀剣乱舞 つはものどもがゆめのあと

ノスタルジックワンダーランド

ミュージカル陰陽師

ウィーン国立バレエ団 海賊

髑髏城の七人 season極 修羅天魔

舞台刀剣乱舞 悲伝 結いの目の不如帰

メタルマクベス disc1

メリーポピンズ

ミュージカルテニスの王子様 全国大会青学vs氷帝

ぼくは明日、昨日のきみとデートする

フリーコミティッド

ミュージカル マリーゴールド

1789

都若丸劇団

恋川純弥劇団

メタルマクベスdisc2

文豪ストレイドッグス 黒の時代

音楽朗読劇 ヘブンズレコード

贋作 桜の森の満開の下

舞台 RE:VOLVER 

劇団白虎

るろうに剣心

光より前に

No.9 不滅の旋律

ミュージカル刀剣乱舞 真剣乱舞祭2018

魔界転生

メタルマクベスdisc3

 

 

 

映像でもたぶん30くらい見たのでけっこう詰め込みましたね!基礎体力作りだよ!来年はタイトル数はともかく入る回数はもう少し落ち着けたいですね…

 

真剣乱舞祭2018 らぶフェス 12/12(水)夜 感想メモ

 

12/12(水)夜 ミュージカル刀剣乱舞 真剣乱舞祭2018

@大阪城ホール

 

命がぎらぎらと燃えているのを目の当たりにするのはなんでこんなに幸せなんだろう………

 

感想を一言で言うとそれになるんですけど、とにかく三日月のサイドに源氏兄弟をつける構図のパワフルさに大興奮してしまった。ので、その三人の話をします。

 

まりおさんは去年も美しかったけど、また段違いに美しくつややかになって、なによりものすごく自負の見えるお顔になられたなぁと思う。自分が背負って立っていく、という覚悟と自信と誇りと、それらから来る凄みのある美しさだった。

こないだ阿津賀志初演の映像見てたので(とにかくやるしかない、みたいな必死のピリピリ感が好き)よけいにかもしれないけど、ひとって数年でこんなに美しくなるんだなという衝撃と恐ろしさで途中ちょっと泣いてしまった。素人目にも所作も佇まいも変わって、そこに注がれた心血を思うとなんて贅沢なものを見せてもらってるのだろうと思う。

私の中のまりおさんは今夏のぼく明日の時に受けた印象が大半なんですけど、優しくて穏やかでかわいい普通のひと、という感じ。それでこの三日月だもんなあ…まさに心血だ。美しかった。最近よく映像のお仕事されてるのは存じ上げてて、あと来年はロミジュリもあってまさに駆け上がっているところなのかなと思うんですけど、これからも良い仕事と人との縁に恵まれるよう、初詣でお祈りします。まりおさんがビッグになった世界が見たい。

 

高野さん、硬い蕾が綻び始めるときのあの瞬間を見た感がすごい。花の開花の微速度撮影映像(タイムラプス)で、蕾が開く時に花びらがすこし震えて見えたりするじゃないですか。あれです。あの震えみたいな色気。どこか艶めかしくてでも完全に清廉な、開きかけの花みたいだった。この瞬間を見れるのは今だけなのではすぎて、値千金というかそういう尺度に換えられるものではないというか、ありがとうございます…。

人が勝手に狂って飛び込んでいくような美しさの華になるんじゃないかなと思ったりして、そういうどんな花が咲くのかなという気持ちにさせてくれる人を見られるのは幸せなことだと思います。

 

三浦さんは歌声の出し方変わったね…!?(レミゼ頑張って!!!!!応援してます!!!!!)やっぱり野蛮な妖精だし、抗いがたい強烈な魅力があった。あの眼前のもの全部をかき喰らうような目が好きなんだよなあ。

可愛らしいお顔してらっしゃるし、芯から品がいい方だなと思うんですけど、表現はものすごくダイレクトで暴力的ですらある、と思う。馴染みがなさすぎる感覚で、うまく自分の中で消化できないのでただひたすら殴られてるんですが。

動きのスタートを0時として終わりを12時とすると、8時とか10時くらいのフェーズが好きだ。あと、たぶん止めの位置がかなり正確。こなれてるというか全フェーズに力を入れてる訳ではなく、通るべき点を正確に通ってこれ以上ない正しい位置と形で止めていて、それがすごく綺麗で。終着点ありきの動き、とも言えるかもしれない。何かしらの型に近いんだろうけどか何かは分からず、でも実際見てしまうとやっぱりものすごく引き込まれる。惹かれるのは動きだけではなくて、何に惹かれるんだろうな、胆の据わったところか、表現への意識が強固なとこか。ノスワンみたときに、この人はきっと身体の動きひとつで景色も色も匂いも空気も温度も描けるような人になる、と思ったんですけど、もっとなにかあるような気もする。いつかこの人の表現に喉笛噛み切られる日が来そうだと思って、少しの緊張感とともに楽しみにしています。

 

なにせ三者三様の華があり途上の美しさがありビリビリくる気迫があり懸命さがあり、命が燃えている…感に当てられて帰ってきました。これが観たくてこの界隈にいるんだよなあ…。ひとの命が燃え魂がきらきら飛び散っているのを観られるのは至上の幸せ。

 

という話はそのへんにしておいて、構成とかその他のこと。

全体の構成としてはだいぶ歌に振ったんだなという感じですね。巴ちゃんメインの一連の流れはストーリーというよりはコンセプトに近い。それにしても、らぶフェスは毎度あちらとこちら(彼岸と此岸)概念でできてるんだな。

そしてそれよりも(メタい話過ぎてアレなんですけど)、冒頭で触れた通り刀ミュのキャスト使いの強かさに改めて大興奮してしまいましたね。2.5のどのキャラもちゃんと出す的な文脈を守りつつ、掴まなければならないところで掴める人間をあてて掴ませるというシビアさにテンションが爆上がりしました。初っ端が巴ちゃんひとりで数分というのもそのひとつだと思うけど、この方はどこから引っ張ってきた方なんだ…。むすはじ見てないので初見だったんですけど、動きが生粋のパフォーマーって感じで、.5界隈の気配ではない気がした。とても目に気持ちのいい動きをされる方だなと思いました。

とか書いていると、去年感想書いてた時と考えることが全然違うのにはっとしたりして、視点とはこんなにも易々と変わっていくものなんだなと実感しています。今年一年、平均週イチのペースで劇場に通って色んなものを見た結果、板の上の人間をキャラクターそのものとして見るという視点をかなり失ってしまった気がする。2.5の醍醐味ともいえる楽しみ方だと思うので、それから遠ざかったのは寂しいなあという気持ちがあるんですが、今回もっくんさんの村正にその楽しみ方を思い出させてもらったなと。村正、ほんとうに魅力と愛嬌の塊。演じるのにかなり難しいキャラクターだと思うんですが、頭がなんの疑問も持たず村正!って認識するんですよね。誰よりもキャラクターらしく、かつ絶対にやりすぎない。丸ごと村正で大好きです。あと衣装の裏地?中身がピンクなの最高にキュートですよね!源氏兄弟の衣装の腰のとこがすこし空いてるのといい、衣装デザインの方にお歳暮を贈りたい。

余談が入りましたが、今年もらぶフェス楽しかったなー!ステージから受けたエネルギーが終わったあとでも身体の中にあるような気がして、素敵なコンテンツだなと思います。

去年の円盤ももいっかい見よ!

 

 

 

 

 

 

2018.12観劇分 感想メモまとめ

 

 

 

12/2(日) 光より前に

@ABCホール

 

木村の了さんと中村まことさんを観たくなって行ってきました。セットも演出も派手ではなくてキャストも少なくシンプル、話も突飛じゃない、でも真剣に二時間舞台と向き合える、いい作品でした。ほぼ、というか完全に一対一の会話劇…だよね?なんのごまかしもきかないシビアな形態だけど押し過ぎず引き過ぎずで演技面で気になることがなくて、これが上手いってことなのかなぁと思ったり。

 

宮崎秋人さん、初めて拝見したんですが不思議な方でした。役どころ的なものもあると思うけど、奇妙さや違和感を与えるというか。同じように見える笑顔でも与えるニュアンスはシーンに応じて異なってて、それは役者さんだからと言えばそうなんだけど…いい意味で名状しがたい雰囲気を(おそらく意図的にではなく)出される方で印象的でした。

木村さんはやっぱり綺麗なひとですよね…。あの変わり者扱いされるであろう役柄、合ってたなぁ。すごくよかった。浴衣姿、眼福でございました。首筋のラインがうつくしや。あのシーン、全体の画のメリハリつけるのにも効いてたなと思います。

 

内容については、そうだよ人間はみなそうやって死ぬ、もしくはそうやって生きる、そうだよ そうなってるんだよみたいな感じで、心の中でそうだよボタンを連打していた。人間はみんなひとりなので一人で走っていつか死ぬんだけど、運良くアシストしてくれる人が現れると楽しく走れたりたくさん走れたり一緒に走れたりする。でもアシストマンが現れなかったからといってその人の頑張りや徳が足りないせいではなく、結局ひとが生きたり死んだり身を立てたり滅んだりするのって「たまたま」なんですよね。(たまたまなので死なせてもいいとは言ってないし、努力をたまたま扱いしてるわけでもないのであしからず)

作中で人が壊れて死ぬのは、本人の走ることへの執着と軍国主義的な人権無視のパワハラが要因で、後者が直接原因として主なわけですが、残念ながら今もこの図式はなんも変わってないんだよなぁ。会社や家庭や学校や、色んなところで同じことが起こってたくさんの普通の人が壊れていっている。

そんなら辞めろよ逃げろよって話だけど、走れなければ死ぬしかないんだよ。私も生きる死ぬまではいかないけど、これができないなら自分にはなんの意味もない、と思って周囲の静止に耳を貸さなかったことがある(外的圧力がなくてもこうなる時はなるのだ…)し、よくあるブラック労働的なものでおかしくなって黄色い線の外側にふらつきそうになったこともある。どちらもその後たまたま良い方向に進んだので良かったけど、今冷静に思い返すと自分でその状態から脱したわけではなくて、運が良かっただけ。一生ものの傷が残って人生めちゃくちゃになってた可能性も十分あった。そして同じように、今もどこかで走ろうとして走れなくて朝が来るのに期待して怯えて絶望してる人がきっとたくさんいる。自分以外にも何人かはこの目で見てきた、と思う。そんな人もアシストマンとの出会いさえあれば死ぬところまでは行かないかもしれなくて、なら私はそれになりたいって思うんだけど、なりたくてなろうとしてなれるものではないんですよね。意図的にできるのは、どれだけ頑張ってもせいぜいあの記者みたいに「入院しろ、休め」って言うところまでで。少なくともそれはできるように、またわざと人を死なせたりすることをしないように、とは思っているけど。

そういうことも含めて、生きてるのも死ぬのもたまたまなんだな、とよく思います。そして、死ぬしかないところまで行ってしまった人を否定したくないな、とも。苦悩の果てに死ぬことは幸せなことではないだろうけど、そうなったからって走ろうとしたこと、走ってズタボロになったことまで否定しちゃダメだ。

君原さんはずっと走り続けるわけだけども、メキシコオリンピックのシーンだったか、周りがスクリーンに囲まれて遠近法で表される画面の道みたいな演出になっていて、ああ果てしないな苦しいな、次の電柱までは走ろう、それが走ること、生きることなんだなと思いながら見ていました。

 

だいぶ個人的な話に寄ってしまったけど、シンプルだからこそ伝わってくるものがある作品だったと思います。ひとによって受けるメッセージの角度が違いそうなので、他の人の感想もみてみたい作品ですね。

 

 

 

12/12(水)夜 ミュージカル刀剣乱舞 真剣乱舞祭2018

こちらからどうぞ。

tamaenotamako.hatenablog.com

 

 

 

12/14(金) 魔界転生

梅田芸術劇場メインホール

 

各世代オールスター感謝祭??ってくらい出てくる人出てくる人上手くて、引いても引いても強い札!俺は大富豪!状態。上川隆也さん想像の10倍凄かったし、松平健さんは第一声から明らかにオーラが只者ではなくてレジェンド感がやばかった。浅野ゆう子さんの満を持しての存在感も半端ないし、豪華キャストのオードブル!って感じですね。

上川さんと松平さんのタイマン場面の重厚感(松平さんの殺陣が熟練の手練すぎて白目むいた)、浅野さんと高岡早紀さんの母子のシーンの完成された感、これ生で見ていいの…?ってなりました。映像で凄い人を生で観るとこうなるのか…。観劇体験というより人生経験だ。

若手だと印象強かったのは村井良大さんですね。振る舞いもセリフもピッとしてとても気持ちがよくて、幕間でお名前調べなきゃと思った役者さんだった。

あとやっぱり玉城さん。刀ステで格が違ったので気になってこの作品のチケット取ったんですけど、めちゃくちゃ好き。玉城さんのお芝居は世界だなぁ。どこにも一瞬も隙がなくて、それでいて自然。感情の出し方も自然。なんの作ってる感もなく、そこにそのままいて気付かないうちに自分も同じ地面に立っているような。今回の役はキュートで楽しそうで苦しそうで哀しくて、子どもにかえったような気持ちで見ていました。転生シーンも最後の旧友との戦いもめちゃくちゃよかった。魅力的(charming)という言葉がぴったりの素敵な役者さんだと思いました。ということで北斎とふたり阿国のチケットが手元にあります。

 

中身としては、なんか新春のゴールデンタイムの特番をドラマもバラエティも突っ込んだみたいな感じだった。しっかり舞台演劇だけど、つくりは完全にTVショーですね。ただ塩梅がうまいのか、違和感はない。演出だれがされてるのか調べてないんですけどスーパー感覚…。あとなんだかんだ上川さんがボケたりツッコんだりを挟むのがが上手いんだろうな。

 

総じて年末に景気のいいものを見たな!!という感で満腹です。贅沢をしました。

 

 

 

 

12/22(土) メタルマクベスdisc3

@IHIステージアラウンド東京

  

私情と私怨で刺さりすぎて、まさみ夫人が出てくる度に泣いてしまってた。どうして彼女は男に生まれなかったんだろう。それだけでよかったのに。

 

この夫人は愚かだったから、分不相応なものを欲しがったから破滅したんじゃないんですよ。世の中が彼女のあり方を許さなかったから、それだけ。まっとうで賢くて分別があって物事をわきまえている、愛情深くて強くて弱い女性だった。ごめんねランディ、とこの夫人も言うけれど、謝らなくていい…諦められなかったことを謝る必要は絶対にない…間違っているのは世界の方だ…。

悪女を演じて王を殺そうと誘うシーンも、諦められなかった、ただ諦められなかったんだよなぁ。男ならできたはずのことを、女に生まれたからといって諦められなかった。でも女の身での限界は十分に弁えていて、ランディに代わりに叶えさせようとした。自分と一体の存在であるランディが王になれば叶うと信じていた。これならできる、そのくらい許されるのでは、と思ってしまった。

でもごく普通の感性を持ってるから人を殺したことがものすごくストレートにストレスになるし、そこまでして手に入れたのはヒラヒラのスカートをはいた「王の妻」のラベルでしかなくて。ほしかったものはこれじゃないよね…こんなものがほしかったわけではないんだ。事前にパンツスタイルの脚が5mあるとか二幕のスカート姿がめっちゃ可愛いとかは聞いてたけど、演出上の意図ゴリゴリの衣装だったつらい。

結果的に大事なランディまで壊してしまって、少なくとも彼女は自分のせいで愛する人を地獄に落としたと思ってるんだよ。つらい。

 

そして、そこまで抗って懸命に生きた彼女の末路があれだ。神が定めた王子に、男と生まれに、頭を下げて疲れたような微笑みを残して飛び降りる。敗北。結局女に生まれた時点でどうしようもなかったのだ。

でも私はあれを敗北だとは思いたくないんですよね。わざわざドセンで確固たる意思を持った顔で美しく礼を取ったのは、彼女の誇りであり賢明さであり心の高貴さであり、生得的ではない彼女自身が育んだそれらのものは何にも負けたりしていない。精神の病とも一人で戦って、自分の足でちゃんと飛び降りた。彼女は何にも負けていない。そう思います。

 

夫人はランディのことすごく好きだったよね。自分が喉から手が出るくらい欲しがっているものを当たり前みたいに持っている無邪気な男を愛するのってどんな気持ちなんだろう。この夫婦は二人で一人。お互いがお互いにないものを持っていて、それに惹かれて一緒になった家族だった。

浦井ランディは王を殺したことを後悔してただろうけど、生まれ変わってもまた妻が望めばそうするんだろうな。王位なんてそこまで欲しくもないくせに。夫人を愛していて、二人で一人だからランディは夫人が死んだ後も狂っていくことを厭ったりはしていない。

人殺しが好きだからだ、は、何とでも勝手に言え、お前達には俺たちのことは分かるまい、だし、何のために戦うかと問われれば、大事な妻と一緒に生きていくためにだ。

このランディは、魔女が惑わすものではなく導くものという認識だったから魔女が妻の顔に見えたんだろうな。

二人ともがお互いを愛していたのになんでこうなっちゃったのかな、と思うけど、相手も二人で一人だと思っていることに気づいていなかったのかもしれない。どちらが悪いわけでもなく。もしそれに気づいていれば、違う結末があったのかもしれない。けどきっと何回やり直してもそうはならないんだろうな。気づかないようなお互いだからこそ惹かれたような気がする。

 

ともかく100周回っても新感線からは出てこないのではと思っていた概念を長澤まさみさんが生身で体現していて、完全に不意打ちでズタズタにされた舞台だった。世界は変わっていくんだなぁ。

 

 

 

 

12/30(日)  ポルノグラフィティ 16th LIVE CIRCUIT "UNFADED"

大阪城ホール

 

子どもの頃から十数年来ゆるゆるとポルノファンで、ポルノの曲といっしょに生きてきました。

ライブ参加は数年ぶり、今回で3回目なんですが、初めて見た時は光、2回目は力、今回は肯定、って感じだったなあ。それでいて変わらないメッセージとパワーをくれたことがめちゃくちゃ心強くて泣いてしまった。

 

A New Day

「言うなー!!!」って叫んだ瞬間救われた。日頃降り掛かってまとわりついてきてた色んなものを振り捨てられて、体がふっと軽くなった。最高の年末厄落とし。この曲大好きだ。大丈夫だ、ってめちゃくちゃ励まされる。

Zombies are standing out

映像が超クールだった!色の反転とかズラしとかってこんなにカッコよく使えるんだ…  この曲、新しいような気もするけどめちゃくちゃポルノ調ですよね。ハードで哀しくて希っていて。ここでは誰も眠ってはならぬ。

カメレオン・レンズ

照明最高だった。客席の頭上から真下に細く落とすのも、ステージ前に細い直下光のベールでグラデーションかけるのも。ステージ脇側にいたんですけど、これだけは正面で見たかったな…!What color、っていうのは人間と人間の間にある永遠の命題だと思う。

フラワー

愛でられるためでもなく 色を誇るためでもなく  のところでブワーっと泣いた。他のフレーズもぜんぶ、そこにいるものあるものの肯定だ、と受け取ったんですけど、一方で強烈な孤独をイメージさせる曲ですよね。隣にはいなくても一人じゃない、というところが特に。その孤独が肯定に結びついてるんだと思う。強く強くありたい、たとえひとりでも、という美しさ。

∠RECEIVER

RECEIVERという意味そのままをダイレクトにぶつけられて衝撃的だった。圧倒されて思わず棒立ちになった。重かったし深かったしすごい圧力だった。責任、に近いのかもしれない、この曲は。

ライラ

歩き疲れたら帰っておいで、懐かしい歌など歌いましょう、と言われると泣く。帰っておいででおいでってされるのでより一層泣く。安堵で泣いてしまう。曲調も歌詞もなにもかも天才的すぎてひっくり返る曲。

 

客席の雰囲気もよかったです。あったかかった。ポルノの曲って肯定で祝福で哀しさが漂っている、みたいなのが特徴だと思ってるんですけど、それが出てる素敵なセットリストだと思いました。置き去りにされた人がふっと微笑んだ口元みたいな、遠くを見ていた目線の残り香みたいな、セピアでグレーな哀しさが好きです。

 

 

お前たちこんなに最高なんだから胸張って行け、って毎度言ってくださるじゃないですか。今回、あれにものすごく安心した。

わたし生きてていーんだなって思ったんですよ。そんなに気を張らなくても、もっと肩の力抜いて楽に生きていいんだなと。

ずっとピリピリして綱の上を一人で渡り続けるような気持ちで生きてて、でも傍からバンバンとかゴンゴンとか音がして、えっ何?と思ったら床を叩く音なんですよ。綱の下は虚空で、床なんてあると思ってなかったのに。綱から降りろとも落ちても大丈夫だとも言わない、ただここ床だぞ、って音を出してくれる、私にとってポルノグラフィティとその曲ってそんな存在だなぁ、と帰り道に思いました。

二十周年おめでとうございます。

 

初めて聴いたときから今までずっと、これからも、ポルノとその曲を信頼しています。

2018.11観劇分 感想メモまとめ

 

 

 

11/4(日)  劇団白虎

@弥生座

 

温泉の宴会場でやってるイメージの大衆演劇をちゃんと(?)温泉施設で見てきました。

なんというか、劇場でやってる時も思うんですけど、これどうやって採算取ってるんだろう…かなり長時間労働っぽいけど、お給料ちゃんと出るのだろか…。いや、部外者が自分の世界の枠組みで考えることではないのはわかるんですけど、ウムム…となってしまう。あとこういうとこではお花は現ナマじゃなくてレイなんですね。そりゃそうか。

前フリが長くなったんですけど、お芝居、女衒をやってた人の顔が綺麗で出てきた瞬間二度見してしまった。じょんから女節という題のもので、ほほーん?って感じの話の筋だったんですけど、ラストあの悪い元旦那が頭下げるとこが無言の見せ場なんだなと思って、ガッツリやると結構面白気なお芝居になりそうだなと思いました。

ショー、すごくいい感じでした!着物も綺麗だったし、指先とかの小さい動きがちゃんときまってるなーと。あとひとりひとりちゃんと上手い、というのも良かった。花形の成田さんの踊り、格好よかったなぁ。小物の取り回しがバシッとしてて気持ちよかったです。笑顔も素敵。あと一番派手な着物きてた方(二代目?)、華のある方だったなぁ~。あの着物似合うの凄い…。ラストの敦盛の白い鬘の方と同じ方かな?(間違ってたらすみません本当に人の顔を覚えられない)  あんなに白い髪の映える人初めて見たかもしれない。衣装も白と黒だし、綺麗だった…めちゃくちゃ好みな方でした。動きも成田さんと並ぶと曲線的で、でも要所がすっと決まっててよきでした。

大衆演劇の、芸事っぽい(イメージの)所作が好きなんですよねぇ。足元とかも結構見てしまう。ハマるというわけではないんだけど、もうちょい色々見てみたいなぁ、と思ったりの大衆3回目でした。

 

 

11/23(金祝) るろうに剣心

@大阪松竹座

 

松 岡 広 大 さ ん が 最 高

諸々感想はあるんですけどとりあえずこれしか出てこないですね!!!舞台に上がった時の気迫だけで世界が止まった。人殺しの気迫と眼光と動きの鋭利さ、あまりにも最高すぎてうち震えたし、こんなんされたら好きになってしまう感がとめどない(一年前からすきですけどね!)。この呼吸を忘れて世界がそれだけになる感じ、出会ってしまった感。神様…私に松岡広大さんという役者を見せてくれてありがとう…。女性相手のお芝居だとすごく色気があってその色気が硬質で、こんな魅力もあるんだと発見できたのも良かった。泣き崩れそうなくらい最高です。少しだけ歌ってたけど、それもよかったな…早く次の舞台みたいです…。

カテコではいいお兄ちゃんしてるし、インスタの文章めっちゃ硬いしインスタライブで現在完了形とか口走るしもうめちゃくちゃ好き。ありがとうございます。いまでも下弦千穐楽の「もう、決めたんだ!」の太陽のような笑顔を覚えてます。「お待ちください」と言って現れた瞬間舞台に光が射し込んだように見えたことも、きっと熊木のことを思って無界の賑わいを二階から眺めていたその佇まいも、覚えてます。どうかいい仕事と人に恵まれて、素晴らしい役者になってください。心の底から応援しています。

※以上心の中のファンレター

 

作品全体としては、私が知らない文法を元に作られたエンタメだな…という感じ。物語だけなら二部いる?って感じだしそれやる?っていうソロあるしなぜかロマンス押しだし画面は派手だし、宝塚文法なのかなと推測するけど見たことないので推測の域を出ないです。でもなんだかんだ言ってエンタメとして楽しいのでオールOK!なにこれ?って思っても楽しけりゃOK。

 

あとはやっぱりめいめいさんかな。超~~可愛かった!この方は短距離照射の強烈な光だなぁと思いました。阿片吸ってふらふらしてるとこのシーンもさすがだった…牛鍋屋の素朴な看板娘じゃなくてこちらが本当なのではと思ってぞっとした。今んとこやっぱりめいめいさんはそっち側の人なのかもしれないな、私の中で。こういう板の上に立ってる方が本物、みたいな人すごく好きだ。めいめいさんも舞台演劇続けてくださると嬉しいな~!なぜなら私が見たいので!!次の出演作品待ってます!!