オリビエートの坂の上

観劇のメモを投げ込む予定です

2019.3観劇分 感想メモまとめ

 

 

3/2(土)ほか 舞台どろろ

 

こちらからどうぞ。

tamaenotamako.hatenablog.com

 

 

 

 

3/16(土)夜 偽義経冥界歌

フェスティバルホール

 

 

天 才 の 所 業 ……
新感線、脚本家と演出家が強すぎる。あと金がある。

脚本はサビのメロディラインが相も変わらず固定でしかし唸ってしまう楽しさ。名前とロールの業、それに絡めて偽物と本物と空っぽ、宗教民族生と死…みたいな、(新感線の上澄みを撫でただけの私の感覚で)全部詰め!!という豪華さ、でもすっきりして見やすい。いままでの作品が割とごちゃごちゃぐちゃぐちゃの感情ブアー!だったのが今回はちゃんと収束している感があったせいか、すっきりした後味でした。あんだけ各人物濃くてもさっぱり。
細部まで辻褄あってるのかと言われるとそんなことないだろうなって感じなんですけど、楽しいのでそんなことはどうでもいいし、こまけぇことはいーんだよ!って言わせる作品が私は好きです。
主役の名前がいくつも出てくるのとか、義経と偽義経が本物偽物逆転して同じ髪型で対決するのとかアツすぎてひっくり返りそうだった。最高のザ・活劇!!感。

演出はまさかの完全ステアラ仕様で、楽しすぎて笑うしかなかった。劇場が回らなくても舞台は回せるということが証明されてしまいましたね。回転劇場ならではと思われていたシームレス場転を、薄幕(呼称がわからんのですけど、舞台手前に降りる映像映せる透けるやつ)と手前の通路爆走(通路ではない)で再現していて、あっ回ってる…!ってなりました。カテコになってようやくアッそういやここ回らないんだ…?と思ったレベル。
これが至高とかいうつもりは毛頭ないんですけど、世の中の舞台演出家と演出が気になる観劇マンは好みに関係なく一回見とくといいのではないかと思う。面白いので。
全体通して印象的だったのは鏡の演出だけど、やっぱそこに限らず全体的に演出めっちゃいいな。すごい。

新感線、基本的に脚本演出音楽照明衣装総合してひたすら質が高いので(という言い方もどうかと思うけど)好みとかどうとかを置いといてすげーー!!最高!!!ってなってしまうんですよね。エンタメとはこうでなくちゃな。私は結局こういう派手ででかいものが楽しい人間なのだ…

 

公式の作品紹介に「新感線ならではの笑いたっぷり、殺陣、アクション満載の王道エンターテインメント作品」とありますが、まんまその通りの作品でしたね。さすが39公演。劇団ファンの人はすごく嬉しいのではないかな。
内容としては、全編通して生田ッ………斗真ァァァ…………!!!!!(敬称略)って感じでした。生田さんすごいね?なにあれ?なんか出会ったことのない光の人種で終始ファッ…となっていた。当て書きだからそりゃそうといえばそうなんだけど、あのカッコよくて抜けてて明るくて単純で気持ちのいい人物ができるのすごい。
生田さんのファンの方チケットいっぱい握りしめてる??大丈夫?後悔しない枚数ちゃんとある???貴方の推しにハッピーニューイヤーメリークリスマス。
冥界白衣装のお姿、ビジュアルが強すぎてこっちの魂が冥界に飛びそうになった。あの白の姿に白いライトがバシッとあたるあの瞬間、最高としかいいようがない。
ラストシーンもめっちゃよかった…めちゃくちゃに映えていた。これが生田斗真……
そして「これが生田斗真」って言わせるのがさすがの脚本演出なんだよなあ。

 

そう、ビジュアル…衣装めっちゃよかったですよね…。
いつもながら豪華だし、源氏側の黄色の衣装で裏地が奥華の紫とかさ…。
何より冥界側の白い衣装ほんと最高すぎて。双眼鏡はもっぱら衣装ガン見するのと生田さんのあまりにもいい顔を見るのに使っていた。

 


全然関係ない話なんですけど、終盤でメインどころふたりが対決するのってほんとにお決まりなんですね。
ほぼ構図も、なんなら立ち位置まで同じなので一瞬捨天対決の幻が見えてしまった…
これ新作で対決シーン出てくるたびに永遠に見える幻なんだろうな。きっといつまでも月の亡霊です。

 

 

 

3/31(日) SPECTER

 

@森ノ宮ピロティホール

 

 

イェーイ再演!!生で見られる幸せ!!ローザ!!!俺だぁぁぁ!!!!(うちわ激振り)(ペンラ複数持ち)

 

生で見ると、マジでやっちまいやがった…感があって超テンション上がりますね。シャドの皆殺しからのくだりです。あのシーン大好きなんですよ…。お前でいいやって何…?どうやったらあんなセリフ思いつくんだ。

 

冒頭の葬列、めちゃくちゃいい追加シーンでしたね。既に最高。そしてキャスパレ、2分で分かるSPECTER。もうこの時点で、明らかに今までより演出がいい…!?どうしたの!?都会に行った娘さんがきれいになって帰ってきたみたい!とかわけのわからんこと思ってました。特に照明、今までにもまして綺麗では?

 

再演は初演より洗練されてわかりやすくなってたのと、各キャラクターの人物造形もストーリーに沿ったものになってるというか、すんなり理解できる感じだったと思います。

再演ローザは女性らしさと弱さが前に出てて、あの結末の暴力性が軽減されてた気がする。でも私はよしあしとは別に初演ローザ担なんですよね…。あの訳の分からなさ、こいつ何やってんだ!?みたいな感じが好きで。初演ローザめっちゃ強いですからね。同じ行動してても、弱さからそうなったのが再演、パワーと傲慢でそうなったのが初演、みたいな感じする。ローザに限らず初演の、みんな何もわからずぐちゃぐちゃにこんがらがったまま死んでいく、みたいなのが結構好きです。

 

再演、衝撃だったのはローザ抱えたシャドが恐らく生きてることですよ。ほんとに…?あんだけのことしといて本当に償うつもりなのか…。茨の地獄じゃないですかシャド…。

 

あと初演と違うのは、上手下手が逆転してたのとか(繭期の追いかけっこまで逆回りでかわいい)、バンリのセリフとかですかね。バンリのセリフどっちも好き。

 

なんせ演出が洗練された!!っていうのが一番印象強かったので、COCOONへの期待が高まる公演でした。