オリビエートの坂の上

観劇のメモを投げ込む予定です

朧という語感がまず好き(刀ステ維伝感想)

11/28(水) ソワレ 舞台『刀剣乱舞』維伝 朧の志士たち

 

 

すえみつさんが元気そうな作品で良かったです!!楽しいね刀ステ!!なんでそんなことするの???(膝蹴り)(膝蹴り)(膝蹴り)

 

考察も書こうと思ったんですけど、頭爆発したのでとりあえず感想だけです。

 

 

作品概感

 

年末の2時間ドラマにできる(真顔)

 

今回はキャスト的に歴史上人物組を一番楽しみにしていたんですけど、 四人とも圧倒的芝居力で最高でしたね!!!!!序盤数分をほぼ刀剣男士抜きでつくってたのよかった。作品にのめりこませるかどうか、あるいは観る気にさせるかどうかって序盤の数分がまず勝負だと私は思ってるので(そこでハズすと後の挽回に相応のパワーが必要になるので)、そこでがっつり芝居をしてくれるの嬉しい。序盤からモブでバーッと人数出てきたのも、でかいタイトルの演劇っぽい派手さがあってよかったです。

OPに入る前の時点でどっちかというと2.5観に来たというよりいわゆる一般の演劇観てるなって感覚があって、割と最後までそんな感じでした。たぶんストーリーの性質もあるのかな。

 

総じて2.5やればできるんじゃ~~~ん!!!!(天空からのウエメセ)って感じがあります。キャストに今回の歴史上人物組みたいなベテランをがっつり組み込んでがっつりお芝居してもらって、若いこれからの方には設定の多いキャラ的なキャラをやってもらってキャラの力でブーストかければバランスもとれて普通に面白い作品が!!作れる!!まあ脚本の質が前提だし、ストーリーを原作に縛られすぎないとかベテラン世代の人を設定上出しやすいとか条件はあると思うんですけど。

 

という2.5論は別の機会に譲るとして、これシリーズものとしてのあれそれをなくしてドラマっぽく多少一般ナイズドしたら年末の時代劇2時間スペシャルでいけるレベルでは?このご時世、時代劇も刀が人間の形してるくらいのトリッキーさがあってよくないですか。若くて綺麗な人たちが華やかにガチ殺陣やり、ベテラン勢がどっしり物語を支える時代劇、いいと思います。映画刀剣乱舞の時にネオ時代劇爆誕ではみたいな感想があがってましたが、それと同じ感じありますね。まあ現実的には朧とは・・・?みたいな感あるのでこれをそのままドラマにと思ってるわけではないんですが、仮に自分が界隈外の人間で今作をテレビでみてても面白い!!って思えそうで、そういうところまできたんだなーみたいな感慨がありました(常に天空から目線)。

 

あと関係ないんですが、今回ハコが大きくて公演数もあって(ありがとうございます)チケット取りやすかったからか(※あくまでシリーズ過去比)、女性に連れられて男性がちらほら来てるのも嬉しかったな~。面白いものは垣根なくたくさんの人に観てほしいし、それで面白い!って思う人が増えるのはすごくハッピーなことだと思います。刀ステってガチ殺陣歴史SFなので、性別関係なく楽しいと思う人いそうだしね。

 

 

刀ステとしての雑感

 

シリーズ終結までの段階として『物語集め』が提示されたの、発明だ。

これにより、どこに誰が出陣しても裏目的は物語集めであり、作品を重ね物語が集まって刀たちが強くなるごとに三日月関係の真実に近づいていく、みたいな流れができる→各刀が物語を得るのを描けばそれすなわち本筋を進めてることになるので、どこに誰が出陣しようが無限に話が作れるぞ!!

変に三日月関係の本筋こねくりまわさなくても話作れるようになりそうで良かったね、というのと、新章に入って俗人的な縛りからある程度解き放たれたのだな、という安心がある。

 

悲伝(の続きと捉えての慈伝)までは鈴木さんと荒牧さんのスケジュールを抑えることが大大前提。三日月と山姥切がいないと話が進まない上に性質上役と役者も不可分で、ほかの役者がその役を演じることも実質できないという縛りプレイだった。

でも物語集めという軸を置くことによってこれからは誰が出ても話が進むぞ!!鈴木さんと荒牧さんのスケジュールが取れるまで(最終作はそうしないと話終わらないと思うので)ゆっくり新章やろうぜ!!そしてこれまで観てきてよかったなと思えるエンディングをみせてくれ・・・。物理的事情に縛られすぎると作品の内容にしわ寄せがいくからね・・・。

 

そしてそれとは別に、刀ステって2.5では規模トップで出演したら名前は売れるし、作品の質的にもある程度担保されてるので、いろんな若手の役者さんを育てる場所になる、みたいな意義もあると思うんですよね。その意味でも、いろんな人が(変に本筋に関わりすぎることなく)出演できる物語集めシステムは良い発想だなあと思います。

 

それはそれとして、鈴木さんの三日月と荒牧さんの山姥切という代替不可能性でできていた刀ステ、爆裂面白かったですね。こんだけデカいコンテンツでこんな再現不可能なことやってるの力こそパワーすぎるなと思って観るたびに楽しかった。はあーーーすべての最後には戻ってきてくれ・・・。


演出とか

 

過去イチで演出ついてる!って感じで演出ついてた!!というかセットが立体可動式!!

使う劇場によっては奥行がなくてできなかったりもするんだろうけど、舞台装置に奥行があるのはやっぱり良い。見え方が立体的になるので。街が動くという設定も映像だけでなくセットで体現できたのでほんとによかったよね。折りたためる橋とか中を通り抜けられるとか、構造も楽しかった。

セットの動かし方は極端に危険だなというところはなさそうに見えたけど、なんせ大変そう。かなりの段差を飛び降りたり飛び乗ったり、階段駆け上がる回数が多かったり狭い動く箱の上で殺陣やらないといけないなど相当キャストに負担がかかる仕組みなので(それだけに派手でドラマチックにはなるのだけど)、最後まで全員無事に何事もなく戦い抜けられることを祈ってます。

照明も相変わらず綺麗。罠ミュのときの色使いとか、ショーっぽいビビッドな照明がここ数作印象に残るけどマイブームだろうか。私は好きです。

『朧』の見た目チェンジもよかったな~!白髪白塗りに隈取風のメイク。義伝の黒鶴のときはなんか髪と衣装黒くしたから何??感あったんですけど、白い三日月も朧も色変えただけじゃないという意味みたいなものが感じられるので嬉しいです。

殺陣、派手でよかったですね。歴史上人物の殺陣が見ごたえあるので、元主とのタイマンが映える。後半の殺陣シーンでは舞台上にいる人数がかなり多いことがあって、ハケる人と出る人の動線がきれいじゃない(というか袖付近が混んで詰まってる)ところが見受けられたので、これから公演数重ねて綺麗になっていけばいいな。



役者さん

 

蒼木さんは本当に刀ステに相応しい座長だなとカーテンコール観ながら思いました。相応しいって言い方あんま好きではないんですけど、蒼木さんの陸奥守の清々しさや心根の健全さは新しい風みたいで、新章の座長にぴったりだった。殺陣の量すごいよね?体力と身体能力にめっちゃ期待されているのが演出からゴリゴリわかって楽しかったです。

肥前の方も殺陣すごいできてオッ!?となりました。以蔵さんとタイマン張る必要性からこの配役か~という感じ。

染様は染鶴全開でありとあらゆるところで軽やかに茶々を入れ、それが強調されているからこそあの「寂しい」が私の心臓に根を張っている。あのトーンで、あの温度感で「寂しい」と言えるのが染谷さんだよな。

小烏丸の玉城さんはやっぱり刀メンツの中では一段違う。刀剣男士にもこういう方が一人いるだけですごく締まるなーと思うし、それとは別になんか悲伝組ってある種の圧があるよね。なんにしても小烏丸を玉城さんにしたことも、立会人にしたことも名配役だったなと改めて思いました。

歴史上人物組(人間組、と今回言いにくい 朧なので)は四者四様サイコ―でした。これが舞台演劇だよね!!もともと拝見したことがあるのは東洋の唐橋さんだけなんですけど、やっぱり唐橋さんの演技が好きだという思いを新たにしました。めっちゃ良い。今回は長モノも扱ってて素晴らしかった。好き。



好きなシーン

 

肥前に相対したとき、以蔵が「同じにおいがする」っていうところ

アーーーーーーーーある種の予感がするからやめろ!!!様式美??匂わせ??(?)なんでもいいけどそういうことを言わせるんじゃない!!

 

っていう、キタ!!!!感が好きなんですよね私は 罪深いな

 

鶴丸の「寂しい」

鶴丸は今作(というか場合によっては今までの作品でも)ずーっと飄々とした言動をしてるじゃないですか。いかにも鶴丸然とした軽快な振る舞い。それがあの「寂しい」だけ違ったんですよね。なんの装飾もない、単に胸の中にあるものをそのまま口に出した、みたいな温度感のトーンとことば。これ以上ない答えだと思った。

たぶん染鶴だから「寂しい」が理由なんだろうなあ。健鶴は多分ああは答えない。健鶴はなんか、怒ってるんだろうなあと思います。悲伝のときからずっとそう思っている。

 

・「日本は良い国だ」

龍馬の朧が、自分が見届けることのない日本の未来を問う。陸奥守はそれに「良い国だ」と答えるけど、あれは回答というより信念の表明なのだろうな。龍馬や過去の人間たちが精一杯紡ぐことでできた未来、それがどんなどんな形をしていようがもうその時点で、精一杯紡がれてきたという事実において「良い」ものであるのだ、という信念。このてらいのない考え、陸奥守だな~~~と思えてとても良かった。

そして作品とは別の話になりますけど、いい国だ、とこんな風に断言されるとドキッとしませんか。私たちもまごうことなく「紡ぐ」人間の一員で、ならばお前は彼の「良い」という言葉に恥じないように未来を紡げているか?と、心臓に突き付けられたようでひやりとした。



 

Q. 歴史を守るのは刀の本能、では歴史を守らない刀がいたらそれは何なのだ?
A. ハイそーいうこと言わないでくださーーーーい禁止です!!!!!!!!!



禁止でーーーすとか言ってないで考察をすれば良いんですけども、SF考察苦手すぎてどうしようもない

考察というか疑問点とか追記するかもしれませんがとりあえずここまでで。