オリビエートの坂の上

観劇のメモを投げ込む予定です

それに今日は小指の曲がり方が変で(カフカの東京絶望日記 1話感想)

カフカの東京絶望日記 第1話が公開されたよ!!

 

 

何を言えばいいか皆目分からなくてとりあえず3回見たんですけど、やはりよく分からなくて宇宙を見た顔をしています。これはある種他人の宇宙だ。そういうの好き。

 

とりあえずカメパンは可愛いですよね。私は幼少の頃、近所のスーパー内のパン屋にあったアンパソマンの顔型のパンが大好きでした。今私は大人になったのであのパンを憧れの目で見つめるだけではなく棚に並んでる分丸ごと全部買いすることもできるんだけど、近所に顔パンを置くような素朴な店はなく、故郷に帰ってももうあのパン屋はありません。どこぞのチェーンの100円パン屋に取って代わられたし、100円パン屋にアンパソマンの居場所はない。さよなら平成、さよなら私のアンパソマン。

 

というのは置いておいて、初見で凄いなと思ったのがあまりにも平然と作り手が自分の宇宙を陳列してきたことですね(個人の感想です)。

同じ題材でももっと大衆受けというかまあ大衆という言葉はあんまり上品ではないんですけど、ともかくわかりやすくウケるものはいくらでも作りようはあるんではと思うんですけど、特にその気配なし。冒頭数分謎のおっさんが喋り続けている。強い。ちなみに私はこの冒頭のマックス君がめっちゃツボにはまって飲み物吹き出しました。

この企画、誰の何から始まったのか検討がつかないんですが、この鈴木さんの使い方は他のなんの媒体なんの作品とも一線を画している感じある…。ネガティブオブネガティブでダブルチーズしかまだ切れてない人物なのに、まあーーー美しいですよね鈴木さん。もといカフカ。私は「きれいさ」が鈴木さんの特徴だと思ってるし、結構な割合の人が鈴木さんのことをきれいだなーと思ってると思うんですけど、このきれいさがこんなにシュールなことがあったろうか…布団から出られないのに美しい…仕事に行きたくないのに美しい…矢場荘()()()に住んでいるのに美しいしカメパン陳列めっちゃ遅いのにやっぱり美しい。私の時空が歪んでいく。

この鈴木さんはアサダさんの見たい鈴木さんということでよいのでしょうか。めちゃくちゃマニアックですね最高じゃないですかハッピーニューイヤーアリガトーTo↑kyo!!!絶望と美しさの異次元ハーモニー。

そのへんで時空が歪みすぎて、旦那毒殺疑惑とか女装とか万引前科5犯とかをナチュラルに受け止めてしまうよね。

 

☆好きなシーンあれこれ

・だからこうしている方がいいのだ(確信の頷き)(画面の前の私も頷きコマンド連打)

・今朝は小指の曲がり方が変だ(?)(?)

・アパート前シーンの横顔美しすぎるな 宇宙を感じる そしてカギしめようとした姿勢から微動だにしないの超シュール

・おざいーーっす(その笑顔100点満点)(ゆえに深まる絶望) サラッとパンのくだりに応えるあたりサトル氏、コミュ強である

・ウケる(笑)

・サトルやつぐみを名前呼びなのは、ファーストネーム呼びの海外文化準拠なんだろうか

 

しかし首の見え方なんぞ気にしてるあたりもそうですが、絶望というのはなにかに期待していることありきというか希望を前提にしているもんだなと改めて思い知るばかりです。希望があることこそ最大の絶望だとも言える。

それにしても本作のカフカ氏の絶望、分かりみが深く共感で地面が抉れるので本日逆流性食道炎の診断を受けたばかりの私になんとも言えないダメージを与えてきますね。一方でなぜか妙にあたたかみとやさしさの気配がして、なんかひっくるめていとおしいなぁと思います。次話も楽しみ。

これ打ちながら4回目みてたんですが、スマホの小さい画面じゃなくてPCのモニターとかテレビとかで観るとさらに面白いのでまだの人はぜひどうぞ。鈴木さんの表情のどんより絶望感と美しさがより鮮明に見えます。

 


 

ちなみに完全な蛇足ですが、日本でいちばんパンが美味しいと思う町は神戸、今まで食べた中で一番美味しかったパンは、オーストリアグラーツのメインの広場から急な坂をのぼったとこにあるパン屋で売ってるキプフェル(三日月型のパン)です。

グラーツ パン屋 有名 でググったら一発で出てきた↓

www.hofbaeckerei.at

でもこれ広場の近くではなくない?記憶の変質がやばいしなんで私は日本くんだりで食道を痛めてるんだろうな…無能のきわみ…(引きずられ星人)