オリビエートの坂の上

観劇のメモを投げ込む予定です

2019.4~5観劇分 感想メモ

 


4/13(土) ふたり阿国

 

@明治座

 

 

玉城さんの終盤のお姿が美しすぎて口から泡吹いて泡を喉につまらせそうになりました。落日ハーフアップ!?!?(?)  滅びの美しさですよね…たまきさんのお芝居ほんと好き…。

 

 

全体の話をすると、橋の演出(最初と最後とか)は良かったなーと思ったんですけど、内容がよく分からんかったな。流れがわからないというより人物相関図が分かりにくい。

あとちゃんと人物像が確立されてる人と、(恐らく演じ方のせいで)この人結局どんな考え方をするどんな人なの?ってのがわからないままになっちゃう人がいてうーんって感じでした。

セリフが喋れても人物や感情を表現できるとは限らないし、歌がきれいに歌えても以下同文なんだな…難しいな…。あとセリフが言えても、一人で長セリフ喋って聞かせるのはまたひとつハードルがあるんだろうな。この作品に限らず、長セリフはだんだん耳に入ってこなくなることがしばしば。どんな長くても全神経持ってかれることもあるし、技量なのか、なんなんだろう。

 

SHIRANAMIのときも思ったんだけど、こういう異業種集めました!みたいな作品、ひょっとして向いてないのかな(私に)。物語嗜好だからかもしれない。

 

 

 

5/25(土) 恐るべき子供たち

 

@神奈川芸術劇場

 

 

素晴らしかった…めちゃくちゃ好きでした。

端的で洗練されて美しくて、閉鎖的で混迷を極めていて淡々として、窒息しそうなくらい密で。

中身の感想はさらっと言うのが難しいんだけど、箱と部屋と毒の話かな。箱の中のように狭くて密やかな子供の世界、そこに投げ込まれる毒の鮮烈さ。脚本演出の方向性なのか原作の色なのか、原作を読んだことなくて分からないんだけど、「子供」というものに対しての捉え方と表現がとても好きだった。子供らしい憧れや愛情や仮託や思い込みや、内に向かって凝縮していく感情、外への忌避。そしていずれ箱が壊れることへの怯えや恐怖。

 

役者さんもみんなその世界観、というよりあの世界独自の論理にそった存在としてそこにあって素晴らしかったなぁ。

 

白布を使った演出も見事な美しさで、幻想的でぞっとした。あの白布、ラストでは亡くなった人の顔にかける布のようだと思ったな。「子供たち」にかける白い布。まああれは日本の慣習なので関係ないんですけどね。

 

 なかなかこんなに好みドンピシャの美しさに出会えることはないので、とても印象的な経験になりました。

 

 


5/25(土) ミュージカル  レ・ミゼラブル

 

@帝国劇場

 

 

天下のレミゼ様と、まさかの解釈違い起こしました!!wwwwww  良かったけど脚本演出解釈違いです!!!!w

ほんと面白すぎて自分で自分に爆笑している。(爆笑ってそろそろ一人で笑う時に使っても誤用じゃなくなってきてるよね)(どうでもいい)

私2.5とかの作品見ても一回も解釈違いとか言ったことないのに、まさかのヴィクトル・ユーゴー原作もので解釈違いですよ。マンガやアニメじゃなくてこれで原作厨発揮するとは…完全に無自覚だったのでほんとに笑ってしまった。

いや、私が原作から持ったイメージと違うってだけの話なんですよ、良い悪いとは関係ないです。

でも他のことはともかくとして、鉄格子外したあとのポップな音は許せないでしょwww 解釈違いのレベルではない、戦争だ。

 

以下ほんと私だけのこだわりなんでもう読んでいただかなくていいんですけど、橋のジャヴェールは下!!!下に落ちるの!!!演出的にはなるほどなと思ったけど下に落ちないと許せない…w  あとさぁ、お迎えのシーンそうじゃないだろ?女性キャラとりあえず並べとけとか思ってない??(暴言)  そして何よりジャン・バルジャンは対決なんてしません(迫真)  この作品の対立構図は神対人!!!!ジャン・バルジャンはミリエル神父の元で神の子になったのでそこにジャヴェールとの対立の構図はできるけど、それはあくまで神対人であって人対人ではないんだ…わかるかね…レミゼは神の愛の話なんですよ…だからこそ今際の際にファンティーヌが立つんですよ、わかる…?ジャン・バルジャンは神の子になったんですよ…。いや神の愛なんか持ち出さずに踊らせといた方がエンタメとして受けがいいのは分かってます  わかってるのでこれは全部私の偏屈なこだわりです…。というかほぼ妄言です…。

 

そういうの全部除いていうと演出は好きでも嫌いでもなかったですね。尖ったところはないなという印象。役者さんはジャヴェールはジャヴェールっぽかったし、アンジョルラスは抜群に革命家でした。あとマリウスがあまりにも坊ちゃんだったのでヒュー!マリウス!となりました。青くて甘くて純粋で生まれたようにしか生きられない、おろかで幸せなマリウスぼっちゃん好きなんですよね。

 

あといつかエポニーヌはめいめいさんにやってほしいな!!もし実現したら、偏屈をいったん脇に置いて素直な気持ちでもう一回見に行きたいです。